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"追い出された四畳半" 第5話

経営コンサルタントを名乗っていますが、実態は違法なファクタリングや、活困窮者の名義を利用した架空法の登記を繰り返している物です。公団や都営宅の『額な賃料枠』を正に取得し、私設の違法オフィスや、追跡を逃れるための拠点として転売・転貸するが、都内で発していましてね」

血の気が引いていくのが分かった。 莉緒は、ただの借まみれの娘ではなかった。 もっとく、暗い沼にを踏み入れた男の、駒として使われていたのだ。

「宇佐美さん、あなたの印鑑登録証が使われている以、形式はこの類は受理される寸でした。もしこれが通っていれば、あなたはこの部の居権を完全に失い、法には『自ら権利を放棄して転した者』として扱われるところでした」

「そんな……じゃあ、どうすれば……」

矢代は鏡のブリッジを押しげ、静かに言った。 「まず、直ちに区役所へき、現の印鑑登録を『失届』をして廃止してください。そして、しい別の印鑑で登録をやり直す。これで、彼女らが持っている実印は、ただの彫刻された片になります」

矢代はを乗りし、声を潜めた。 「そして、もうつ。々公社としても、この須藤という男の正転貸の現を押さえたい。宇佐美さん、今夜、彼らは何かアクションを起こすと言っていませんでしたか?」

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「……今夜、私が夜勤でいないに、男を部に引き入れて、荷物をまとめる、と」

「分かりました」 矢代の目が、たくった。 「の朝。公社の監察課と、所轄の警察署の全課が、同でその部の『正入居実態調査』に入ります。抜き打ちのち入り検査です」

の……朝……」

「ええ。それまで、あなたは普段通りに振るってください。決して、彼女にづかれてはならない。もし相づいて逃したり、類を破棄したりすれば、件が難しくなる。今夜晩、耐えられますか?」

たいの滴が、私の髪から机の滴、ぽたりと落ちた。 私はその滴を指先でく押し潰した。

「……耐えます。何があっても」

区役所の窓で印鑑登録の廃止続きを終えたとき、空はすでに暗い鉛に染まっていた。 しく百円ショップで買ったプラスチックの認印を、たな実印として登録し直した。 莉緒が切そうに抱え込んでいる私の古い実印は、今この瞬、何の効力も持たないただのゴミ屑に変わった。

アパートへ戻る取りは、鉛のようにかった。 だが、私のには、奇妙な静寂が広がっていた。

。 部に戻ると、居にはすでに見らぬ型のスーツケースがつ、運び込まれていた。 玄関には、で汚れた巨な男物の革靴。 物の芳剤と、烈な加式タバコの焦げた匂いが廊に充満している。

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襖をけると、居の景変していた。

ローテーブルのには、そうなウイスキーのボトルと、のジュラルミンケース。 そして、見らぬ男が、が物顔でソファの央にふんぞり返っていた。

ての良さそうな、だがどこかいネイビーのスーツ。 髪料で固めた髪に、鋭い。 須藤拓真だった。

「あ、帰ってきた」 莉緒が、勝ち誇ったような、嘲るような笑みを浮かべて私を見た。 そのには、氷の入ったグラスが握られている。

「茜、紹介するね。婚約者の拓真くん。急だけどさ、拓真くん今からここにむことになったから」

須藤はがりもせず、ソファの背もたれに腕を広げたまま、私を値踏みするようにからまで見ろした。 その目は、を見る目ではなかった。 端に転がる吸い殻を見るような、徹底な蔑

「君が宇佐美さん? 莉緒から聞いてるよ。親もいなくて、変らしいね」 須藤はタバコの煙を井へ吐きしながら、く濁った声で笑った。 「悪いけど、男と女が暮らす所に、の女がいちゃ邪魔なんだよね。君も代なんだから、いつまでもの善に甘えてないで、自分ので自したらどうなの?」

の善。 この男は、私がこの部の真の契約者であり、賃の全額を払い、莉緒の活費まで背負わされていたことを、どこまでっているのだろうか。

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