"片親の分際で、100年早い" 第7話
と返信すると、すぐに返事が来た。
《何があってもおは1じゃない。困ったら連絡しろ》
その言葉に胸がくなった。父とは数に再したばかりで、正直まだ距がある。それでもこうして気にかけてくれていることが分かる。
俺はい、父をんでいた。祖母から「あの男のせいで美鈴はんだんだ」と聞かされて育ったからだ。顔もらない父を、俺は憎んでいた。学3の、学会の会で初めて父と会った。向こうから声をかけてきて、「会いたかった」と言った。そので名刺を渡された。名刺には父の名と連絡先だけがかれていた。「いつでも連絡してくれ」。その言だけ残して、父はっていった。
俺はしばらくその名刺を見つめていた。連絡するかどうか、何も悩んだ。祖母の言葉がかられなかったからだ。結局、連絡を取ったのは1ヶだった。それ以来、々メッセージを交わすようになった。直接会ったのは数回だけだ。父は仕事が忙しいらしく、詳しいことは聞いていない。
俺はスマホを握りしめた。父の言葉がに染みた。
——何があってもおは1じゃない。
その言葉を胸に、俺は眠りについた。
翌朝、俺は学付属病院に向かった。3も終わりにづき、桜のがちらほらと咲き始めている。はたいが差しはかかった。
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病院のロビーに入ると、すでに数の受験が待っていた。最終面接まで残ったのは次面接の3分の1程度だという。
里佳の姿もあった。「おはよう、陽くん。よく眠れた? 今で最だよ。何があっても自分を信じて」
「ああ、丈夫だ」
嘘だった。実際は何度も目が覚めた。戸塚の嘲笑がのまで追いかけてきたからだ。しかし、里佳を配させなかった。里佳はそっと俺のを握った。そのは昨と同じように温かかった。
やがて面接が始まった。受験は1ずつ呼ばれ、奥の最終面接へと消えていく。里佳は俺より先に呼ばれた。30分ほどで戻ってきた、彼女の表はるかった。
「うまくいったとう。柴田さんが最にすごく褒めてくれたよ。陽くんも丈夫だよ、絶対」
そう言って里佳は俺の肩を叩いた。その笑顔に、俺はしだけ勇気をもらった。
「藤川陽さん」
名を呼ばれた。俺はちがった。臓が鐘を打っている。これが最だ。6の全てが今こので問われる。呼吸をして面接へと向かった。い廊を歩きながら、母のことをいした。5歳の俺を抱きしめて、「丈夫、あなたはい子よ」と言ってくれた母。その言葉を胸に刻んで、俺はドアをノックした。
「どうぞ」
入する。最終面接の部はこれまでの部より広かった。井がく、窓からはの差しが差し込んでいる。
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いテーブルの向こうに5の面接官が並んでいた。央に座るのはやはり戸塚俊彦だった。その隣に柴田護部、隣には3の教授陣。全員が俺を見つめている。
「藤川陽です。本はよろしくお願いいたします」
く礼し、指定された子に座った。最初の質問は柴田護部からだった。志望、将来の展望、研修で学びたいこと。俺は準備してきた答えを落ち着いて述べた。教授陣からの質問も比較穏やかだった。臨実習での経験、論文の内容、医療倫理に関する見解。専な質問もあったが、これまでの勉が役にった。
しかし、戸塚はずっと黙っていた。腕を組み、俺をにらむような目で見ている。その沈黙が気だった。面接が終盤に差しかかった頃、ついに戸塚がをいた。
「藤川君、最に1つ聞いておきたいことがある。君の父親についてもう度聞かせてもらおうか」
臓がねた。またこの話か。何度同じ質問をされれば気が済むのか。
「履歴に記載した通り、父親欄は空です。母がくなった、祖母に引き取られ、父のことは何もらずに育ちました」
戸塚は眉をつりげた。父親がいないのかと侮蔑するような声で問い詰め、やはり片親かと断じる。「母親もくなっているとなると、まともな庭環境とは言えないな」
と吐き捨てた。
その言葉に、俺ので何かがきしんだ。侮辱だ。らかな侮辱だ。柴田護部がいさめようとしたが、戸塚は「事実を確認しているだけだ」