"3000万円と捨てられた母の罠" 第3話
甘いがしましたが、欲はありませんでした。スプーンを持ったり置いたりを繰り返した。
初めての方向。隣の席のおばあさんが話しかけてきた。80歳は超えているように見えました。 はる子は頷いた。 「昨来たんです」 「あらまあ、そうなの? 慣れるまでしがかかるわよ」 おばあさんは親切でしたが、はる子はそれ以話す気にはなれませんでした。粥をに運びました。
、ナースステーションに呼ばれた。 「はる子様でいらっしゃいますね」 「はい」 「こちらの規則についていくつかご説しますね」 職員は1枚のを渡した。はる子はそれを受け取った。文字がぎっしりとかれている。 「には保護者の同伴が必です。お1ではられません」 はる子のが止まった。 「面会は午2から5までです。それ以のは制限されます」 はる子は唇を噛みしめた。 「部への話は保護者の同がなければできません。個の携帯話は紛失防止のため、保護者の方が保管されるのが原則です」
はる子は顔をげ、職員をまっすぐに見つめた。 「つまり、私は1ですることも、話をかけることもできないということですか?」 職員は困ったような表をした。 「規則ですので、おばあちゃんの全のためですからご理解ください」 はる子はを置いた。
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が震えていました。これは事実の監禁でした。
「バッグは返してもらえますか?」 「ええ、もちろんです」 職員は保管庫からバッグを取りし、渡してくれた。はる子は急いでを確認した。財布はありましたが、やはり携帯話はありませんでした。 「携帯話は保護者の方がお持ち帰りになりました」 職員の言葉に、はる子はを閉じた。これ以聞いても無駄だと悟ったのです。
部に戻りました。はる子はベッドに座り、窓のを眺めました。部の向こうをが通り過ぎていくのが見える。あのに乗ってることさえできれば……。
11頃、ナースステーションで話が鳴った。はる子が廊を通りかかった、偶然にした。 「はい、希望の介護ホームです」 職員の声でした。 「ああ、はい。はる子様のご族の方ですね」 はる子は歩みを止めました。さやかでした。 「お母様の様子ですか? そうですね、まだ慣れていないご様子です。しにされていますが……」 はる子の臓がねた。さやかが自分の様子を尋ねている。配しているからではありません。確認しているのです。 「はい、わかりました。何か変化がありましたらすぐにご連絡いたします」 話が切れた。はる子は素くそのをれた。見つかってはいけません。部に戻り、座った。嫁がこの施設と繋がっていることはもはや確実でした。
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自分の状態を常に監しているのです。
昼のになりました。堂へこうとした、職員がドアをノックした。 「おばあちゃん、お届け物ですよ」 さな封筒だった。はる子が受け取ると、差ししはさやかだった。封筒をけると、薬の袋が4つ入っていた。い錠剤です。メモが添えられていました。 ——「お母さん、忘れずにんでくださいね。1に2回、朝と夜に」
はる子は其の薬をじっと見ました。何の薬か分かりません。病院でもらった薬でもありません。 職員が言いました。 「ご族の方が必ずむようにとお願いされていました。私がお伝いしますね。これは何の薬かごですか?」 「さあ、でも、ご族の方が送ってくださったものですから丈夫ですよ」 はる子は薬をに取りました。これをめということでしょう。しかし、何か腑に落ちませんでした。正体の薬をまなければならないなんて。 「でみます。お腹がいっぱいですから」 「そうですか。では、に必ずおみくださいね」 職員はていった。はる子は薬の袋を引きしの奥くへと隠した。むつもりはありませんでした。
夕方6、ルームメイトが来た。70代半ばくらいに見えるおばあさんだった。職員に支えられてベッドに横になった。 はる子は挨拶した。「こんにちは」 おばあさんは顔を背けた。
目が赤く腫れている。泣いていたようでした。 「こんにちは」 その声は震えていました。そして再び壁の方を向いて横になってしまいました。