みかん小説
本棚

"15万円を切られた母と13万円の姑マンション" 第9話

「はい。ちょうど昨晩キャンセルがまして、1部だけご案内能です」

私は迷わず言葉を継いだ。

「そこに決めます。すぐに入居の申し込み続きをめてください」

藤井さんは戸惑うように確認した。

「よろしいのですか?ご主様のご向とは違う形になりますが」

私ははっきりと答えた。

「構いません。費用は全て私の個座から支払います」

私は話を切り、母の方を振り返った。

母は目を丸くして私を見ていた。

「エミ、そんなことして志さんにられないの?」

私は母の両く握りしめ、自分自に言い聞かせるように頷いた。

丈夫。私が責任を持って払うんだから、誰にも文句は言わせない」

そので私は緑苑へ向かい、事務で担当者と向かいった。

賃、費、介護保険の自己負担を含めて、額はほぼ15万円に収まる計算だ。

私は入居申し込みに自分の名き込み、実印を押した。

な初期費用は、私の個の貯蓄から全額を振り込む続きを済ませた。

これで、母のしい居所を確保するという逆な続きが正式に完した。

もう戻りはできない。

夜の9過ぎ、私が自宅へ戻ると、志がリビングでテレビを見ていた。

テーブルのにはしい具のカタログが広げられている。

志は私の顔を見るなり、当然の権利のように求してきた。

広告

「おい、遅かったな。今の共通座、めに入しておいてくれよ」

志はカタログを指さした。

具の支払いで、来のカード引き落としがりなくなりそうなんだ」

私は鞄のから、母のしい施設の入居申し込みの控えを取りした。

それを志の目ののテーブルに静かに置く。

「悪いけど、来からは共通座には1円も振り込まないわ」

志はカタログから目をし、訝しげな顔で私を見た。

「はあ。何を言っているんだ?俺1料じゃ、母さんの賃と活費は回らないぞ」

私はえ切った声で、夫が作りげたルールをそのまま突き返した。

「あなたが言った通りよ。自分の親に必なおは、自分の料の範囲で責任を持つべきなんでしょう」

私は腕を組んだ。

「だから私も、自分の母の施設費は自分で払うことにしたの」

志は顔をしかめた。

「施設って、あのいところに戻す気かよ。勝な真似をするな」

私がい声で睨みつけると、志はわずかに顔を引きつらせた。

「勝に私の母を追いしたが、どので言うの?」

志は声を荒らげた。

「おの母親の15万円はに何も残らないが、具は資産として残るだろう」

私は笑を浮かべた。

「そんな言い訳が通用するとっているの」

私は鞄を持ち直した。

「とにかく、送はすでに止の続きをしたから」

広告

志は慌ててスマートフォンを取りし、のアプリをこうとした。

その指先がわずかに震えているのを、私はややかに見つめていた。

夫はまだ気づいていない。

私が自分の母のために15万円を捻できるようになったわけ。

夫は自分の自由なを完全に失うのだということに。

の朝、リビングには異様な静けさが漂っていた。

志はダイニングテーブルにノートパソコンを広げ、を抱えている。

画面には、計の支を計算する表が映しされていた。

志は画面から目をそらさず、ひどく焦った声で切りしてきた。

「エミ、やっぱり送止は考え直してくれないか?」

志は私をチラリと見た。

「俺1料じゃ、今の支払いが完全にショートするんだよ」

私はキッチンでコーヒーを淹れながら、ややかな線を背に向けた。

「ショートするってどういうこと?」

志は苛ちを隠せない様子で、キーボードをく叩いた。

「母さんの築マンションの賃13万円が、今から引き落とされるんだ」

志は声をにした。

「それに加えて、おが止めた共通座の8万円の穴埋めがある」

私はコーヒーの入ったマグカップをに、テーブルの向かい側に座った。

「それは穴埋めじゃなくて、あなたが自分で負担すべき族の活費でしょう」

志は私を睨みつけた。

「さらに族カードで切った具の15万円の請求も来るんだぞ」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: