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"15万円を切られた母と13万円の姑マンション" 第13話

静寂を破り、リビングからキッチンへ血相を変えた志が踏み込んできた。

「ふざけるな。16万円も、俺1でどうやって払うんだ」

そのには、私が付箋を貼っておいた緑の通帳が握りしめられている。

顔はりと焦りで真っ赤に染まり、呼吸までが荒くなっていた。

「俺の遣いを全部つぎ込んでもりないじゃないか」

私は夕器を洗いながら、を止めずに静かに答えた。

りないなら、どうしてあんないマンションを契約したの?」

志は言葉に詰まり、わななく唇をく噛みしめた。

「夫婦の貯からせばいいと勝っていたからでしょう」

志は声を荒らげた。

「俺は計全体のバランスを考えて、おの母親のアパートを探したんだぞ」

私はの蛇を止め、振り返って夫の目を真っ直ぐに見据えた。

「まだそんな嘘をつくの?」

志の顔から、さっと血の気が引いていくのがはっきりと分かった。

「あなたが義母さんの築マンションを契約したのは、私が阪へく4よ」

志は震える声で尋ねた。

「どうしてそれを……」

私は隠さずに事実の順番を突きつけた。

斎の引きしにある産会社の契約を見たわ」

私はた。

「あなたは最初から自分の見栄で、義母さんにい部を借りるつもりだったのよ」

志は通帳を持ったを力なくろし、線をへ落とした。

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「その賃を払うために、私の母の施設を解約して15万円を浮かせようとした」

私はたい目で夫を見た。

「私の収入まで審査類にき込んで、支払い能力を偽装してね」

もはや反論の言葉が見つからないのだ。

これまでは計の理化という義名分で私を丸め込んできたが、契約付という事実は嘘をつかない。

私はそれ以夫を相にせず、キッチンの片づけに戻った。

が引き落としよ。どうするかは自分で決めて」

の夜、私が仕事から帰ると、志は珍しく先に帰宅していた。

洗面所でを洗っていると、斎から志のくぐもった声が漏れてきた。

ドアがしだけいており、話で誰かと話しているようだ。

「だから今だけでもいいから、数万円でもしてくれないか」

その必な声のトーンで、話の相が姑のみさ子さんだとすぐに分かった。

私は洗面所のタオルでを拭きながら、ややかにその会話を聞いていた。

「俺だって厳しいんだよ。具代の引き落としもなってて」

志の声は泣きそうだった。

「母さんだって自分のがあるだろう。し負担してくれてもいいじゃないか」

これまで息子としていい顔をしてきた夫が、現実の数字に追い詰められている。

話の向こうでみさ子さんが何と答えているかは聞こえない。

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しかし志の焦り切った様子から、交渉が難航していることはらかだった。

志は苦しい言い訳をねているが、姑には通用していないようだ。

「俺が全部払うって言ったのは、その、し事が変わったんだよ」

志は苛った声で話を切り、乱暴に子からがる気配がした。

「分かったよ。また連絡するから」

私は音をてないようにリビングへ戻り、何も聞かなかったふりをした。

自分が作りげたルールのツケを、夫が自分ので支払い始めた瞬だった。

その翌、会社の昼休みに私のスマートフォンが鳴った。

画面を見ると、みさ子さんからの着信だった。

私が話にると、みさ子さんの声はいつもと違い、ひどく狼狽していた。

「エミさん、今しだけいいかしら?」

私は落ち着いて答えた。

「はい。お昼休みですので丈夫ですよ」

みさ子さんは満を隠しきれない様子で気に話し始めた。

「昨志から急に話があってね。賃をし払って欲しいっていうのよ」

みさ子さんは息をついた。

しいマンションの費用は、夫婦でちゃんと払えるって言っていたじゃないの」

みさ子さんは私に同を求めるように言った。

「私は暮らしなのに、今更賃を払えだなんて話が違うわ」

姑は私が夫を説得して自分を助けてくれることを期待しているようだった。

「エミさんもく賛成してくれていたはずでしょう」

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