"「クソ臭い農家」と再開発地8割の地主" 第12話
彼はずさる。
「それじゃあ、あの匂いは世界を変える発の匂いだったのか」
渡辺は淡々と告げる。
「会は、お嬢様の結婚をから祝福しようとしておられました」
彼は無慈に事実を突きつける。
「佐藤総建設の放漫経営による巨額の負債、それも親族になるのであれば全て肩代わりし、発プロジェクトも全面にバックアップするつもりだったのです」
渡辺の言葉の1つ1つが、い鉄球のように正尾と健の胸を撃ち抜く。
彼らがクソ臭いと罵り追いしたそのには、彼らの会社を救うどころか何倍にも成させる魔法の杖が握られていたのだ。
正尾は昨夜、自分がどれほど傲な態度を取ったかをいした。
『潔な奴がこのにいるだけで、が社の品位ががる』
『クソ臭い農は、今すぐここからちれ』
その言葉が、今自分自の首を絞める鎖となって返ってきた。
渡辺は酷に言い放つ。
「しかし、あなた方は会とその娘である様を侮辱した。あまつさえ、様を社会に抹殺しようと画策した」
彼は静かに宣言する。
「これは、佐藤グループ全体に対する宣戦布告と受け止めさせていただきました」
正尾は膝から崩れ落ち、渡辺の靴にしがみついた。
「待ってください。誤解だったんです」
彼は必に懇願する。
「あのはその……すぐに謝罪にきます。
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どんな条件でもみますから」
渡辺は見ろす。
「謝罪、ですか?」
彼は首を振る。
「残ながら、遅すぎます」
渡辺は類を指差す。
「会はすでに、佐藤総建設の全株式を買い集める用をされました」
彼は宣告する。
「には臨株主総会がかれます。そこで、現経営陣の解任が決議されることになるでしょう」
正尾のから、魂が抜けたような乾いた笑いが漏れた。
「解任……会社が……俺のが終わるのか」
では、員たちが社内の備品を差し押さえるための準備を始めている。
社員たちの号が壁を抜けて、社まで響いてきた。
「社、本当なんですか。俺たちの料はどうなるんだ」
鳴り声と泣き声が混ざりい、オフィスは阿叫喚の獄へと化していた。
渡辺は最に告げる。
「終わるのは会社だけではありません」
彼はたい目を向ける。
「あなた方が様に対してった名誉毀損、嫌がらせの数々。その全てについて厳正なる法措置を講じます」
渡辺は続ける。
「透な政治献、そして事費の着、全て々の調査チームが把握しております」
渡辺はたく言い放つと、振り返ることもなく社をにした。
残されたのは、崩れったの跡にち尽くす、愚かな親子だけだった。
方、私は父の敷の広な本庭園を眺めていた。
父ががけてきた事業の全貌を聞き、私は言葉を失っていた。
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父はただの農ではなく、この国の、その両方を根底から支え、守ってきただったのだ。
父は私の隣につ。
「、これからはおの好きなようにきなさい」
父は私のを撫でながら、穏やかな声で言った。
しかしその目は、まだ何かを見据えていた。
私は尋ねる。
「お父さん、まだ何かあるの?」
私の問いに、父は窓のにそびえつ佐藤総建設の自社ビルを指差した。
「真実を教えただけでは、は本当の反省はしないものだ」
父は静かに語る。
「これから彼らには、自分たちが捨てたもののきさを、体で、で、をかけてわってもらわなければならない」
父の言葉通り、物語はここで終わりではない。
佐藤総建設の崩壊は、あくまで序章に過ぎないのだ。
次なる台は、彼らが最も恐れていた所。
それは、彼らが嘲笑い、踏みにじった、あののだった。
佐藤総建設が誇った豪華な自社ビルは、もはや号のび交う戦と化していた。
正面玄関には、未払いの代を恐れる請け業者の社たちが詰めかけている。
「はどうなるんだ」
「社をせ。俺たちの活を壊す気か」
割れんばかりの鳴り声が響く、正尾と健は社に閉じこもっていた。
しかし、そこも決して全な避難所ではない。
部の話は絶えなく鳴り響き、その全てが絶縁や督促の言葉であった。
正尾はを抱える。
「どうして……どうしてこんなことに……」