みかん小説
本棚

"「クソ臭い農家」と再開発地8割の地主" 第14話

請け業者への当な値引き、資材の使い回し、政治への裏作。

それら全てを裏付ける証拠が、完璧な形で警察の元へ届けられていた。

彼らの帝国は、内側からも側からも完全に包囲されていたのだ。

そしてその包囲網を敷いたのは、誰でもない、あの穏やかな佐藤郎であった。

郎は、彼らが混乱に陥るのを、静かに、そして静に見守っていた。

自分のを汚すことなく、彼らが自らの罪のさで自滅していくのを待っていたのだ。

が1番辛いのは、希望が見えた瞬に全てを失うことだ』

父がかつて語った言葉が、私のに蘇った。

今、あの族がわっているのは、まさにその絶望そのものだった。

私は父の敷の縁側で、たくなったお茶をすすりながら空を見げていた。

しみも、悔しさもなかった。

ただ、「因果応報」という言葉のみを肌でじていた。

しかし、父の計画はまだ半分も終わっていなかった。

父ががる。

「さあ、仕げに取りかかろうか」

父は私にしいスーツを差しした。

それは、私がある所で着るための、特別な着であった。

佐藤総建設の倒産が秒読みとなる、正尾と健は最の望みをかけた。

自分たちの首を絞めている黒幕、佐藤ホールディングスの総本社へと向かったのだ。

彼らはまだ、佐藤郎がそのトップであると、の底では信じたくなかった。

広告

何かの違いだ。

あるいは秘が嘘をついている。

そう自分たちに言い聞かせ、必に現実から逃げていた。

総本社のロビーは、息をむほど豪華で荘厳な空だった。

正尾が受付で騒ぐ。

「社に会わせてくれ」

受付嬢に対し騒ぐ正尾に対し、警備員たちは氷のようなたい線を送る。

「予約のない方はお通しできません」

正尾は声を荒らげる。

「私は佐藤総建設の社だぞ。この域の経済を支えているだ」

彼は嘘を並べてる。

「佐藤会とは、古くからのいなんだ」

正尾が嘘を並べてて喚き散らしていると、エレベーターホールから1の女性が歩いてきた。

ての良いスーツを完璧に着こなし、凛とした表でこちらへ向かってくる。

その姿に、健わず息をんだ。

……佐藤、なのか……」

そこにっていたのは、昨まで潔な農の娘と蔑み、自分たちの都で切り捨てようとした私だった。

私は彼らのつ。

「お久しぶりですね。健さん」

私はややかに付け加える。

「いえ、もうでしたね」

私はち止まり、ゴミを見るような徹な目で彼らを見ろした。

は私のあまりの変貌ぶりに言葉を失う。

正尾はすがりつくような勢いで私に詰め寄ってきた。

さん、いや、さんじゃないか」

正尾は媚びるように笑う。

「探したよ、君のことを。

広告

のことは、全て何かの違いだったんだ」

私は目を細める。

違い?」

私は静かに問う。

「どの辺りが違いだったのでしょうか」

私は彼らを順番に見る。

「クソ臭い農と呼び、料亭から追いし、私を社会に抹殺しようとしたことですか」

私の言葉に、正尾は顔を引きつらせて汗を流した。

「い、いや。それは静子が勝にやったことで、私はではお父様を尊敬していたんだよ」

私はぴしゃりと言い放つ。

「嘘をつかないで。あなたも緒に笑っていたわ」

私は続ける。

「父が持参したお米や噌を、なゴミだと捨てたことも、私は忘れません」

私はバッグから通の類を取りした。

彼らの目のに突きつける。

それは、彼らが今までることのなかった、この町の、そして彼ら族の最の真実が記された資料であった。

私は類を広げる。

「これをよく見てください」

私は正尾の目を見つめる。

「あなた方がんでいるあの豪華な邸宅。そして、佐藤総建設の本社ビルがっているこの

私は核を突く。

「全ての所者は、誰になっていますか」

正尾は震えるで資料を奪い取り、目を皿のようにして確認した。

そこには、驚愕の事実が記されていた。

『所者 佐藤財団』

正尾はずさる。

「ば、馬鹿な。ここは先祖代々ののはずだ」

私は静に説する。

「お調べにならなかったのですか。あなたの先代がバブル崩壊で借まみれになった、そのを密かに買い取り、会社を続させた恩がいたこと」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: