"「クソ臭い農家」と再開発地8割の地主" 第16話
郎は傍らの秘から束の類を受け取り、机に放り投げた。
「これが君たちの会社の最終な負債額と、資産の評価額だ」
正尾が震えるでそのをめくる。
そこには絶望な数字が並んでいた。
「な……数億……?」
正尾は目を見く。
「そんな、昨の点では数億のはずだ」
郎は事実を並べる。
「君たちがずさんな管理をしていたの原状回復費用」
彼は続ける。
「さらに請け業者への損害賠償、への違約。全てを精査した結果、君たちの会社には1円の価値も残っていない」
郎はたく告げた。
健が浅ましい期待を込めた目で、郎を見げた。
「あ、あの。さんとの結婚を認めれば、助けていただけるのですか?」
郎はで笑い、健を蔑むように見ろした。
「がおのような男と結婚? 冗談はやめてくれ」
彼はりをわにする。
「昨君たちはを棒扱いし、社会に抹殺しようとした。その報いはだけで済むとっているのか」
静子が発狂したように叫んだ。
「何よ、たかが農がそんなに偉いわけ」
彼女は顔をげて睨みつける。
「ちょっとおがあるからって、私たちをこんな目に遭わせて」
静子の暴言に、控えていた男たちが歩にたが、郎がで制した。
郎は静かに諭す。
「静子さん。君が馬鹿にしたがなければ、君は今べるものさえない」
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彼は静かに、しかしい言葉をにする。
「農業を蔑むものは、自らの命の根源を蔑んでいるのと同じだ」
郎は彼らを順番に見る。
「君たちはと見栄だけで塗り固められた、のない空っぽのだ」
彼は静かに断じる。
「にまみれて働く者の誇りなど、理解できないだろうが」
郎は静かにちがり、へと向かった。
「佐藤総建設は、本をもって佐藤ホールディングスの管理に置く」
彼は振り返らずに指示をす。
「正尾君と健君には特別に、背任罪と横領の疑いで、当局の調査を受けてもらう」
彼は静子へ向けて言う。
「静子さんはを追いされた、せいぜい自のブランド品でも売ってい繋ぐがいい」
正尾がい蹲ってみる。
「待ってください、会。せめて、せめてだけは」
正尾が郎の裾を掴もうとしたが、男たちに阻まれた。
郎は徹に告げる。
「そのも、元々は私ののに建っている。契約解除の通告は済んでいるはずだ」
彼は最に命じる。
「今すぐ荷物をまとめてていけ」
郎が部をようとした、健が最の悪あがきを叫んだ。
「を、を連れてきてくれ。彼女ならきっと僕を許してくれる」
郎は振り返らずに答えた。
「はもう、しい歩を踏みしているよ」
彼は告げる。
「彼女は佐藤ホールディングスの農業再プロジェクトの責任者になった」
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郎は歩きす。
「おたちのようなにかまっている暇など、今の彼女には1分1秒たりともない」
部をる郎の背は、巨のような揺るぎないさをたたえていた。
残された3は暗ので、自分たちが失ったものの巨さに打ちひしがれた。
昨まで彼らがっていたい虚飾の塔。
それが今、跡形もなく崩れり、自分たちを押し潰していたのだ。
廊にた郎を、私が待っていた。
私は声をかける。
「お父さん、終わったの?」
父は穏やかに微笑む。
「ああ。全て終わったよ」
父は私の肩を抱く。
「、もうおを傷つける者は誰もいない」
私は父の力いを取り、く息を吐いた。
窓のには、父が守り抜いてきた広なが、夕に照らされて輝いていた。
しかし、物語にはまだスカッとする続きがあった。
族が会社を追われたの、あまりにも皮肉な結末。
彼らが最にき着いた所は、私たちが像もしない、ある所だったのだ。
佐藤総建設が倒産してから、2ヶのことである。
かつて正尾たちが豪遊の限りを尽くしていた邸宅のに、1台のが止まった。
そのはすでに差し押さえられ、今、たな所者へと引き渡されるだった。
扉のには、ボロボロの格好をした正尾、静子、健の3がっていた。
彼らはきを失い、最に自分たちのを買い取った物にけを乞うつもりであった。
正尾は脂切った顔で、必に自分の髪をえようとしている。