"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第5話
氷のようにたく、静かで、そしてい絶望に満ちていたのだ。
弘は目ので嘘を並べる母親の顔を、まじまじと見つめた。
節子の目は、しもしんでいない。
むしろ目障りな嫁を追いすことができて、清々しているようなたい線だった。
弘は初めて、自分の母親に対してさな違を覚えた。
弘はく尋ねた。
「活費が怪しいって、どういうことだ?」
節子は得げに言った。
「今分の費の請求が、あの子の部からてきたのよ。まだ払っていないみたい。きっと自分のお遣いにしようとしていたのね」
節子はそう言って、1枚のハガキをテーブルに投げした。
それは確かに料の請求だった。
弘はハガキをに取った。
裏面を返すと、確かに今の額が印字されている。
弘はハガキを見つめながら呟いた。
「これを弓が隠していたのか」
節子の調は滑らかで、切の淀みがない。
「自分のおにしようとしたのよ。本当に恐ろしい子だわ」
しかし弘は、胃の奥にたいが沈んでいくような覚を覚えていた。
8、弓は計のやりくりに1度も文句を言わなかった。
ない活費ので、夫を凝らして美しい事を作ってくれていた。
こんな妻が、数千円の代を使い込むためにこんな浅はかな嘘をつくだろうか。
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弘ので信じ込んでいた優しい母親の姿が、音をてて歪み始めていた。
午12。
科クリニックの昼休み。
消毒液の匂いが微かに漂うスタッフルームで、私はお弁当箱をけた。
同僚の護師たちが、楽しそうにテレビの話題で笑いっている。
その平な常の景が、今の私にはとてもありがたくじられた。
その、のポケットに入れていたスマートフォンが震えた。
画面を見ると、弘からのいメッセージだった。
『母さんが代が未払いだと言ってっている。弓が活費を使い込んでいるんじゃないかって。どういうことだ』
私はその文を見て、わずいため息をついた。
りよりも先に、い呆れが込みげてきた。
義母は私を悪者にするために、すぐにバレるような嘘をついたのだ。
私はお箸を置き、落ち着いてフリック入力をした。
『リビングのテレビ台、から2段目の引きしをけて』
送信ボタンを押して、すぐにもう言付け加える。
『青いファイルのに、今までの全ての領収が付順に入っています』
私は8、計の管理を完璧にこなしてきた。
1円の狂いもなく、全ての支払い記録を残している。
義母がテーブルにしたハガキは、おそらく私が支払いを済ませたに届いた、単なる使用料のおらせだろう。
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15分、弘からたった言だけ返信があった。
『確認した。ごめん』
そのい言葉のに、夫のどれほどの揺が含まれているのか、私にはに取るように分かった。
弘は今、ファイルをいたはずだ。
そこにある私の8の完璧な記録を目の当たりにしたのだろう。
そして、母親が息子ので嫁を貶めるために、平気で嘘をついたことに気づいたのだ。
義母の嘘の綻びは、ここから静かに広がり始める。
弘が母親の異常性に気づき始めたこと。
それは私にとって、胸のすくようなさな報酬だった。
けれど私のは、まだ完全にれたわけではない。
なぜなら、義母が私を追いした本当の理由は、単なる嫁姑の対ではないからだ。
義母には、どうしても私を支配に置いておかなければならない別の理由があった。
午からの診療が始まる直。
私のスマートフォンが再びく震えた。
画面を見ると、そこには見らぬ局番の話番号が表示されている。
し迷ったが、私は通話ボタンを押した。
私は周りにがいないことを確認し、声を潜めた。
「はい。井ですが」
話の向こうから、丁寧な男性の声が聞こえた。
「突然のご連絡で申し訳ありません。私、緑の者ですが」
その名を聞いた瞬、私の背筋にたいものがった。
緑は、くなった義父が使っていただ。
そして、義母のが振り込まれる座があるでもあった。
男性は言葉を続けた。
「実は、義理のお母様からご依頼いただいた件で、確認のご連絡を」