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"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第16話

弘はその言葉を聞いて、が完全にえ切っていくのをじた。

母親のからるのは、自分の体のことと嫁への文句ばかりだ。

夜勤けで疲れ切り、仕事と事の板挟みになっている息子への気遣いなど微もない。

このはただ、自分の世話をしてくれる便利なが欲しいだけなのだ。

弘は8信じ込んでいた族というが、音をてて崩れ落ちるのをはっきりと自覚した。

弘の声は驚くほどく、静かだった。

「母さん」

義母はテレビから目をした。

弘は言った。

「弓はもう戻らない」

義母は瞬目を丸くしたが、すぐにで笑った。

「何言ってるの?あんな女放っておけば、自分から泣きついてくるわよ。く当てなんてないんだから」

義母は得げに続けた。

「そのうちおに困って、座して戻ってくるに決まってるわ」

弘は義母のその浅ましい言葉を聞き流し、自分の部へと向かった。

で義母が叫んだ。

「ちょっと、私のの朝ご飯は!」

弘はドアを静かに閉めた。

暗い部で、弘はベッドに腰掛けた。

先ほど喫茶で聞いた私の言葉が、で響いている。

あなたが自分のをどうするのか、自分で決めなさい。

弘は両で自分の顔を覆った。

8、同居始めたあのから、弘は1度も自分で決めることをしていなかった。

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母親が嫌にならないように。

妻が何とかしてくれるように。

てず、ただ嵐が過ぎるのを待つだけ。

その結果、1番守らなければならなかった妻のを、完全に壊してしまったのだ。

弘はゆっくりとがった。

そして、部の隅にあったダンボール箱を引き寄せた。

クローゼットをけ、自分のスーツを取りす。

引きしからは着や普段着を引っ張りした。

洗面所へき、自分の気シェーバーと歯ブラシを黒いポーチに詰め込んだ。

りからではない。

絶望からでもない。

それは弘が48きてきて、初めてした本当のでの決断だった。

弘がもせずに荷造りを終えた頃、窓のるくなってきた。

の朝。

弘はいくつかまとめたダンボール箱を抱え、リビングへりた。

物音で目を覚ましたのか、義母がパジャマ姿のまま部からてきた。

義母は弘のにあるダンボール箱を見て、怪訝な顔をした。

「ちょっと、朝から何をしているの?」

弘は無言で箱をろした。

「あの子の荷物を捨てにくの?それならついでに」

弘は言で、母親の言葉を遮った。

「違う。俺の荷物だ」

義母のきがピタリと止まった。

弘は淡々と告げた。

「俺はこのる」

弘はダンボール箱を玄関に置くと、もう度部へ戻ろうとした。

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義母が慌てて弘の腕を掴んだ。

「ちょっと待ちなさいよ。るってどういうこと?」

弘は振り返った。

「そのままのだ。俺は俺で部を借りる」

義母の顔から、気に血の気が引いた。

義母は震える声で叫んだ。

「お母さんを1にする気?腰が痛くてけないのに!」

弘は義母の顔を真っ直ぐに見つめ返した。

ここにかつての優しい息子の面はなかった。

弘はたく言った。

「母さんは1活できる。病院での話、俺も録音を聞いたんだ。妹さんとリフォームしてむ計画なんだろう」

弘は義母のを静かに振り払った。

「好きにすればいい」

義母の鳴のような叫び声が背に突き刺さった。

弘、待ちなさい!おはどうするのよ!」

しかし弘は振り返らなかった。

500万円の定期預は、すでに弘自で別のに移してあった。

義母がどれだけ泣き叫ぼうと、もう1円も渡すつもりはなかった。

そのの午弘はを回り、即入居できるさな1DKのアパートを契約した。

と礼を払い、そののうちに荷物を運び込んだ。

古いアパートの何もないたい部

弘はコンビニで買ってきた弁当を1べながら、部を見渡した。

テレビもない静寂の、弁当のプラスチック容器が擦れる音だけが響く。

洗濯蔵庫もまだない。

から事も洗濯も掃除も、全て自分でやらなければならない。

夜勤で疲れた体を引きずって、1活を回していくのだ。

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