"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第17話
その像をしただけで、い疲労が襲ってきた。
と同に、私がこの8どれほどの荷を背負っていたのかを痛した。
文句1つ言わず毎温かいご飯を作り、を清潔に保ってくれていた。
それがどれほどありがたいことだったのか、失って始めて弘はその価値に気づいたのだ。
弘はスマートフォンを取りし、私の連絡先をいた。
私に戻ってきてほしいと頼むためではない。
自分が決断したの結末を、どうしても見届けて欲しかったのだ。
その頃私は、自分のアパートで休の午を穏やかに過ごしていた。
窓辺で本を読んでいると、スマートフォンがく震えた。
画面を見ると弘からのメッセージだった。
『の曜、お昼頃に実に来られないか。まだおの荷物が残っているだろう。それを引きげるちいをしてほしい』
私はその文を見て、さくため息をついた。
残っている荷物とは、あの夜に放りされなかった物のコートやしの私物だ。
わざわざちいを求めるということは、また私を説得しようとしているに違いない。
母親が泣いているから。
俺も限界だから。
そんな言い訳を並べて、私を引き戻そうとする弘の顔が目に浮かんだ。
しかし、荷物をそのままにしておくわけにもいかない。
私はこれで本当に最にするつもりで、く返信を打った。
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『わかりました。1にお伺いします』
翌の曜。
私はで1週ぶりにあの井へと向かった。
これがあのとの本当の決別になる。
そう覚悟を決めて、のハンドルを握った。
午1ちょうど。
私は井のにを止めた。
私がからりると、のたいが吹き抜けた。
見慣れたはずのが、今はとてもさく古ぼけて見える。
をくぐり、玄関へと向かおうとしただ。
私のがピタリと止まった。
目ののガレージには、弘のが止まっていた。
しかしそののトランクは、きくけ放たれていた。
そしてそこに積まれていたものを見て、私は自分の目を疑った。
無造作に積まれたダンボール箱。
見覚えのあるビジネススーツ。
綺麗に磨かれた男性の革靴。
そして黒いポーチに入った気シェーバー。
それは全て、紛れもなく弘の荷物だったのだ。
体ここで何が起きているのか。
私がち尽くしていると、玄関のドアがゆっくりといた。
そこから現れた弘の姿を見て、私はわず息を呑んだ。
ガレージのにち尽くす私に、玄関からてきた弘が静かに声をかけた。
「弓、来てくれてありがとう」
弘の顔は、1週よりもさらにやつれて見えた。
目のの隈は濃く、頬はこけている。
しかしその瞳だけは、以のような迷いや逃げのがなく、妙にすっきりと澄んでいた。
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私がのトランクを指差して尋ねた。
「弘さん、そのの荷物は何?」
弘はさく息を吐いた。
「俺の荷物だ。まあ、まずはに入ってくれ」
私は戸惑いながらも、弘のに続いて玄関をがった。
廊を歩く裏に、ザラザラとした埃の触が伝わってくる。
私が毎欠かさず掃除をかけていたは、たった1週で汚れていた。
リビングのドアをけた瞬、ツンとしたゴミの匂いがをついた。
テーブルのにはコンビニ弁当の空き箱と、みかけのペットボトルが散乱している。
流し台には洗われていない器が積みになっていた。
これが私という政婦を失った井の現実だった。
部の奥のソファには、義母がパジャマ姿のまま座っていた。
私が入ってきたのを見ると、義母は瞬驚いた顔をしたが、すぐに顎をげて勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
義母は悪く言った。
「なんだ、やっと謝る気になったの?」
義母の声には反省のなど、微もなかった。
義母は顎で台所を指した。
「遅いわよ。私腰が痛くてけないんだから、くエプロンをつけてそこの台所を片付けなさい」
義母は私がをげてこのに戻ってきたのだと、完全に勘違いしていた。
をていく当てなどなく、1ではきていけないい嫁。
し突き放せば慌ててすがりついてくる都の良い。