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"「2度と戻るな」姑と500万円の偽造委任状" 第21話

弘の父親。

つまり8くなった義父からのだった。

義父は義母とは対照に、とても無で穏やかなだった。

私がこのに嫁いできた、誰よりも優しく迎えてくれたのは義父だった。

しかし突然の筋梗塞で、きちんとお別れを言うもなく旅ってしまったのだ。

弘は封筒を見つめながら言った。

は見ていない。弓に宛てたものだから」

私は震えるで、その封筒を受け取った。

8を超えて、き義父から私へ届けられた

義母の嘘と欲望にまみれたこので、義父だけは何かをっていたのだろうか。

弘は真っ直ぐに私を見た。

「俺はこれからって、しい部の鍵をもらってくる。でも、そのを読んだら1度だけをくれないか」

弘の目は、志を持っていた。

逃げ続けてきた夫が、初めて見せた1の男としての志。

私は元の茶い封筒をく握りしめ、さく頷いた。

義父が私に最に伝えたかったこととは、体何なのか。

そしてこのが、私のしいにどんなをもたらすのか。

たいで、私は静かに封筒の封を切った。

私は自分のを運転し、しいアパートへと向かった。

席には、弘から渡された古い茶の封筒が置かれている。

信号待ちでが止まるたび、私はその封筒に目をやった。

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かすれたペンの文字でかれた私の名

8くなった義父は、本当に無で穏やかなだった。

義母が私に嫌を言っている、義父はいつも黙って聞を読んでいた。

私は当、義父も義母と同じように私のことをよくっていないのだとじていた。

でも義母がしている、義父はそっと台所に来て、私に温かいお茶を入れてくれることがあった。

いつもすまないね。

その言に、どれほど救われたかわからない。

アパートの駐を止め、私は部へと戻った。

鍵をけてに入ると、夕暮れの静かな部が私を迎えてくれた。

埃の匂いもしない、清潔で全な私だけの空だ。

私はコートをハンガーにかけ、さなダイニングテーブルに座った。

お湯を沸かし、マグカップに茶を入れる。

そしてゆっくりと呼吸をしてから、あの茶い封筒をに取った。

封は糊付けされたままになっていた。

弘が言った通り、誰もけた形跡はない。

私はハサミを取りし、の便箋を切らないように端をしだけ切り落とした。

からてきたのは、縦きの便箋が3枚だ。

し震える文字だったが、とても丁寧な字でかれていた。

「弓さんへ」

最初のを見た瞬、私の胸の奥がキュッと締めつけられた。

『このをあなたが読んでいる、私はもうこの世にはいないでしょう。

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突然の病で、きちんとお礼も言えないまま旅つことになり、本当に申し訳なくっています』

私は便箋を持つに、しだけ力を込めた。

義父がこのいたのは、くなるほんの数のことだったのだろう。

自分の命がもうくないと悟り、力を振り絞ってを取ってくれたのだ。

『弓さん、弘と結婚してくれて本当にありがとう。あなたがこのに来てくれてから、がとてもるくなりました』

便箋には、義父の優しいいが綴られていた。

『私はいつも無で、気の利いたことも言えませんでしたが、あなたの作ってくれるご飯は本当に美しかった』

その文章を読んだだけで、私の目からポロリと涙がこぼれ落ちた。

義母からは1度も褒められたことのない私の料理。

が濃い、彩りが悪いと捨てられそうになった煮物。

義父はいつも黙って綺麗に平らげてくれていた。

義父はちゃんと私の努力を見てくれていたのだ。

私はで涙を拭い、次のページをめくった。

『ここから先は、義理の父親としてではなく、1としてのお詫びです』

義父の跡が、くなった。

『私の妻・節子は、自分のことしかせないです。自分が1番正しいと信じて疑わず、い通りにならないと者を傷つける』

義父は悔を滲ませていた。

『私は夫として妻のその性格を直そうと何度も試みましたが、結局諦めてしまいました』

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