"AIを信じて15億円を飛ばした男" 第3話
「俺の具を、まるで展示物のように見ろ。これが今のこのの象徴だ。古びた作りの具。こんなもので精密加をやっている会社が、令の代にまだしていることが信じられない。恥ずかしいとすらわないのか?」
50以が黙って聞き入っている。誰も反論できない。
「AIはの数倍の精度だ。も震えない。文句も言わない。0.001mm。そんなものAIなら寝ていてもせる」
森田は自分の言葉に酔っているようだった。声がどんどんきくなっていく。
俺はプレスのの具に目をやりながらをいた。
「待ってくれ、森田。その具は45かけて俺のに馴染ませたものだ。あれがなければ0.001mmの精度はせない。ダイワ航空業への納品に関わる問題だ。それだけは返してくれないか?」
森田が俺の方を向いた。その目にはあざけりのがはっきりと浮かんでいた。
「45だからなんだ? 古いものにしがみつくから、この会社は利益率がいんだ。いいか? 川。45ってのは自じゃない。45も歩できなかったという証拠だよ」
「歩していないんじゃない。45かけてたどり着いた精度だ。械じゃ届かない領域をこので……」
「はい、はい。もういい。おみたいな老が『このが、このが』と繰り返すのは聞き飽きた。おは『神の』だな。現の連がそう呼んでいるらしいじゃないか。
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だが俺から言わせればそんなものはただのだ。周りがおだてて本もその気になっているだけの、れな老の妄だよ」
松本が拳を握りしめているのが界の端に見えた。林が松本の腕を掴んで止めている。
「頼む。その具だけは俺にとって体の部なんだ」
「体の部……? まずい気持ち悪いな。ただの属の棒が体の部だなんて、それが職の限界だよ。物に執着して代の変化についていけない。だから卒は困るんだ」
森田はポケットにを入れ、もう片方のでプレスのスイッチに触れた。
「見ていろ。おの伝説がどれだけもろいか教えてやる」
「やめてくれ」
俺の声は届かなかった。いや、届いていて無したのだ。森田は俺の目を見ながら笑みを浮かべたまま、ゆっくりとスイッチを押した。
200tの圧力がプレスのに落ちた。
45の技術の結晶が瞬でくずに変わった。全体に属が鳴をあげるような音が響き渡った。
俺はそのにち尽くしていた。体の部をもぎ取られたような覚だった。目ので起きたことがすぐにはに入ってこなかった。
森田が笑いをあげた。
「ははは! 聞いたかこの音。これが効率化の音だ。古いガラクタを壊す。実に気持ちのいい音だ」
森田は潰れた具の残骸に歩み寄ると、革靴のつま先で蹴りげた。
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ひしゃげた属片がコンクリートのを転がっていく。森田はそれを追いかけるように歩き、もう度蹴った。まるでサッカーボールでも転がすかのように。
「いい気分だ。の膿をし切った気分だよ」
森田は残骸を蹴り散らしながら俺の方に向き直った。
「川、おももう用済みだ。から来なくていい。0.001mmの精度。AIなら簡単にせる。おの『神の』かなんてもう必ない。ご苦労さん、老はゆっくり盆栽でもいじってろ」
森田はそこで言葉を切ると、今度は全員を見回した。50以の顔を1ずつ舐めるように見ていく。
「の職どもも覚えておけ。やめたければやめろ。むしろやめてくれた方が都がいい。来にはAIが届く。おたちの代わりなどいくらでもいるんだ。むしろ職の件費がなくなった分、会社の利益はがる。おたちがいない方がこの会社は良くなるということだ」
全体が凍りついていった。班が歩にた。
「、それはあまりにも……川さんは45このを支えてきた功労者です。せめて具だけでも……」
森田が鋭い目を向けた。
「班君も同じ穴のムジナか? 職の持つなら君も緒にやめていいんだぞ。このに必なのは械をかせるであって、作業にしがみつく老とその取り巻きじゃない。
勘違いするなよ。君の代わりだっていくらでもいるんだ」
班は言葉をみ込んだ。悔しそうに唇を噛んでいた。