"AIを信じて15億円を飛ばした男" 第6話
「監カメラの映像か……分かっている。今朝のプレスの件だろう。見せてもらえますか?」
総務部員はし躊躇した。だがその目には今朝の来事に対するりが滲んでいった。
「本来は管理職の許がいるだがな……俺も今朝あのにいたんだ。あれはひどすぎる。45このを支えてきたの具を笑いながら潰したに蹴りばして、それを効率化だと言う……あんなことが許されていいはずがない。見せてやる。だが自己責任だぞ。俺はおたちが勝にやったことはらない。いいな」
「ありがとうございます。恩に着ます」
総務部員がパソコンを操作し、今朝の録画データを呼びした。画面にプレス周辺の映像が映しされる。刻は午850分。
森田が全員のにち、演説を始めている。音声もクリアに入っていった。映像のの森田がを広げ、得に語っている。
「職のとか経験とか、そんな曖昧なものに頼る代は終わりだ。AIはの数倍の精度だ。0.001mm。そんなものAIなら寝ていてもせる」
俺が具を返してくれと頼む声。それをあざ笑う森田の声。
「45だからなんだ? 45も歩できなかったという証拠だよ。見ていろ。おたちの伝説がどれだけもろいか教えてやる」
スイッチを押す瞬。200tの圧力が落ちる音。潰れた具を革靴で蹴りばす森田の姿。
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「ははは! 聞いたかこの音。これが効率化の音だ。古いガラクタを壊す。実に気持ちのいい音だ」
「川、おももう用済みだ。から来なくていい。の職どもも覚えておけ。やめたければやめろ。むしろやめてくれた方が都がいい」
笑いながら残骸を蹴り散らす姿。部始終が映像と音声の両方で鮮に記録されていた。
松本は画面をい入ように見つめていた。りでが震えている。だがここで静さを失うわけにはいかなかった。
「この映像をコピーさせてもらえますか?」
総務部員が頷いた。
「USBメモリーを持っているか?」
林がポケットからUSBメモリを取りした。今朝監カメラのに気づいた点で、こうなることを見越して準備していたのだ。
データのコピーが完した。林がUSBメモリを松本に渡した。
「これで証拠は押さえた。あとはどうくかだ」
松本はUSBメモリーをしっかりと握りしめた。
午4、の休憩に異様な景が広がっていった。若4だけではない、の職28名全員が班の元に集まっていた。ベテランも堅も若も、全員が険しい顔をしていた。松本が全員のにった。
「班、俺たち全員やめます」
班は驚いた顔をしなかった。むしろこの言葉を待っていたかのような表だった。58歳のベテラン職が腕を組んだままをいた。
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「班、俺はこので36働いてきた。川さんは俺が入ったにはもう1の職だった。俺にとっちゃ先輩であり、師匠であり、このの柱だ。そのの具を笑いながら潰した。ガラクタだと言って蹴りばした。あんなの元でもう1りとも働く気はない」
別のベテランが続けた。
「あいつは言ったよな。『やめてくれた方が都がいい』って。『おたちの代わりなどいくらでもいる』って。等だ。望み通りにしてやるさ。代わりがいくらでもいるなら困ることはないだろう。なあ、森田さんよ」
若の1、井が声をあげた。
「俺たちは川さんの元で6修してきました。あのの技術を継ぐために、毎朝30分く来て教わってきたんです。眠いも体がきついも、師匠が待っているとえば来れた。その師匠を侮辱して具を潰して追いしたに、俺たちが残る理由がありますか? ないですよ」
加藤も頷いた。
「師匠が事にしてきた具をガラクタと呼ぶがトップにいるで、俺たちがまともなものづくりができるとはえません。『具を粗末にするにものづくりをする資格はない』。師匠がいつも言っていた言葉です。あの言葉のを今ほど痛したはありません」
職たちが次々と声をあげた。1、また1と退職のを示していく。
28全員が1の例もなく「やめる」と言った。
班は全員の顔を見渡し、く頷いた。
「分かった。