"結婚初夜の義父不倫と20年目の毒殺計画" 第11話
おは本当に何をやらせてもとろい男だ。おみたいな無能な息子を持った俺のにもなってみろ。ゲホッゲホッ。しはさやかを見習って俺の役につことでも考えろ、この穀潰しが」
さやかは甲斐甲斐しく父の背をさすった。
「お義父さん、無理してお話しにならなくていいんですよ。さあ、このいスープをんで精をつけてくださいね」
湯気をてるスープ皿を父のに差しした。
私は沈黙を守った。
ただ静かに俯きながら自分の席に座った。
あのスープには違いなく致量の薬が入っている。
だが今ここで私が止めても父は信じない。
それに母を殺したこの男を私が助ける義理などない。
母の無、そしてこれまで私に浴びせられ続けた暴力と暴言。
私はを完全に押し殺し、テーブルの目をただじっと見つめ続けた。
父は震えるでスプーンを持った。
「ああ、さやかさん、すまんな。いただくよ」
フカヒレのスープを、またと喉に流し込んでいく。
半分ほどみめたそのだった。
「あがっ!」
突如、父が首を掻き毟りながら子から転げ落ちた。
「ヒュウ、ヒュウ……」
目をひん剥き、胸をく抑えながらので苦悶の表を浮かべてのたうち回る。
私は驚いたふりをしてちがった。
「父さん!」
しかし、隣にいたさやかは慌てるどころかたい目で見ろした。
広告
ゆっくりと角を釣りげて微笑んだのだ。
さやかは言った。
「あらあら。お義父さん、ついにお迎えが来たみたいですね」
私が叫んだ。
「さ、さやかお何を……」
苦しむ父ので、さやかは優雅にスマートフォンを取りした。
どこかへ話をかけた。
さやかは言った。
「ええ、予定通りよ。今発作が起きたわ」
話の相は言うまでもない。達也だ。
私が慌てて叫ぶ。
「おい、さやか救急を呼べ!父さんが!」
リビングのドアがゆっくりといた。
そこに見覚えのあるが現れた。
達也の声がした。
「救急なんて必ないさ、ひろし」
そこにっていたのは、黒い革袋をはめ、酷な笑みを浮かべた親友、達也だった。
そのろには、を着た初老の男。
達也の父親であり、総病院の院、吉尾の姿があった。
達也が敵に笑いながら、私に歩また歩と歩み寄ってくる。
達也は言った。
「俺の親父は医者だからな。内の全くらいすぐに適切な診断をいてやるよ。さてひろし、じじいの次はおの番だ。おにはしいが、ここでんでもらうぜ」
達也のには鈍くるスタンガンが握られていた。
父の命が尽きようとしている目ので、ついに悪魔たちが私にを剥いたのだ。
バチバチと青いを散らすスタンガンを構え、達也がニヤニヤと笑いながら歩み寄ってくる。
広告
では、致の毒をまされた父、源蔵が「うあ……」と泡を吹きながらを見げていた。
信じられないものを見る目で、達也と院、そしてしたはずの妻さやかを見げていた。
自分が利用され殺されるのだという事実をやっと理解したのだろう。
自業自得の惨めな最期だ。
達也は私を見し、楽しそうに侮辱の言葉を吐き捨てた。
「おさ、のからずっと呪いまでバカだったよな。俺みたいな優秀な男の引きて役にはちょうどいいサンドバッグだったぜ。こんな絶世の美女が、おみたいな甲斐性なしの貧乏営業マンを本気でするわけないだろう」
達也は嘲笑した。
「おは俺たちがこのの財産を乗っ取るためのただの便利な財布であり隠れ蓑だったんだよ。あの世で自分の無能さを呪うんだな」
さやかも美しい顔を醜く歪めて笑する。
「本当、ひろしさんと同じベッドにいるだけで吐き気がしたわ。さっさと気絶して、お義父さんと同じように全でんでちょうだい」
私は逃げも隠れもせず、ただ静かにそのにち尽くしていた。
圧倒な暴力との脅威をにした、主公の沈黙。
私の怯えたように見える態度に気をよくした達也は、スタンガンを突きした。
「ねえ!」と叫びながら、スタンガンを私の首筋めがけて勢いよく突きしてきた。
その瞬だった。
私は最限のきで首をわずかに逸らした。