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完結第18話
診察室に入れなかった私
妊娠七ヶ月、甲斐甲斐しく尽くす夫の言葉に従い、私は毎回待合室で温かい茶を飲んで待っていた。「異常なし」と笑う夫を疑ったことはない。だが夫が仕事で不在となり、初めて一人で診察室に入ると、医師は冷徹な面持ちで私を見据えた。向けられたパソコンの画面には、私が頑なに治療を拒み、夫が必死に説得したという記録が三回連続で並んでいた。その三回とも、私は一度も診察室に足を踏み入れていない。裡切られた|夫婦|裡の顔|修羅場2.8万字5 2 -
完結第21話
伝統を嘲笑われた日本人婿の逆転
青果市場に走ったどよめき。それは、通常を遥かに超える前代未聞の高値で取引された一箱の奇跡のりんごだった。 3年前、年間2万8000ユーロの赤字を抱え、300年の果樹園は差し押さえの危機にあった。村中から「よそ者」と蔑まれ、義父マルコからも「農園を潰す気か」と怒鳴られた日本人の婿・高橋健太。彼が乾いた地面に敷き詰めた「たった1枚の銀色のシート」こそが、すべての常識を覆す秘密だった。冷笑を浴びせ続けた村人たちが絶句する中、ミラノのオークションで叩き出された「1キロ12.5ユーロ」という驚愕の高値。 ――果たして、男が隠し持っていたもう一つの「証拠」が暴く真実とは?真実|裡の顔3.1万字5 18 -
完結第19話
全員が揃えた同じ嘘
小学五年の秋、担任の女性教諭が突然退職し、学校は精神の病気だと説明した。だがその日の放課後、私を含めたクラス二十三人の児童は、それぞれの家庭で「先生は午後三時に帰りました」と全く同じ嘘を親に答えた。口裏を合わせた覚えはない。半年後、唯一何も言わずに転校していった無口な少女が、私の机の引き出しに一枚のメモを残した。そこには『先生は三時のとき、まだ地下室にいました』と記されていた。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明2.8万字5 9214 -
完結第11話
15冊帳簿の専業主婦
娘の古い端末を整理していた専業主婦の真由美は、クラウドに保存された『妻の精神異常観察ログ』を見つける。エリート夫の健司は、自らの借金を隠すため、真由美を精神疾患に仕立て上げて娘の教育信託を奪おうとしていた。翌朝、自宅に乗り込んできた精神科医と冷酷に微笑む夫。絶体絶命の包囲網の中、真由美は十五年間一日も欠かさず記録してきた「あるもの」を静かにテーブルへと叩きつける。夫婦|裡の顔|第二の人生|金銭問題1.7万字5 159 -
完結第16話
毎月100円を振り込む名医の20年
古紙回収の父を持つ私は、名門病院の院長一家から「前科者のような風貌」と罵られ婚約を破棄された。 悔しさに震えながら父の軽トラを掃除していると、座席の隙間から古い通帳が見つかる。 そこには、婚約者の父である院長から20年間、毎月5日に「100円」だけが振り込まれ続けていた。 それは援助ではなく、身代わりの罪を背負わせた父を監視する電子の首輪。 すべてを知った私は、父の手を握り、嘘で塗り固められた名医の式典へ向かう――。因果応報|人生逆転|真実|裡の顔2.4万字5 393 -
完結第16話
10年逃亡した父の未開封400万
「夫に逃げられた可哀想な母」が病死した。団地の遺品整理中、靴箱の底から出てきたのは、十年前「金を奪って愛人と蒸発した」はずの足の不自由な父の作業靴と、手つかずの労災補償金四百万円。なぜ父の靴がここにあるのか? 母が十年間払い続けた父の国民年金、不自然な大量の消石灰。町内会長が血相を変えて迫る中、私は「聖母」と呼ばれた母の恐るべき素顔と対峙する。裡の顔|真相|遺體発見|行方不明|親子関係2.3万字5 88 -
完結第21話
日本一情の深い父の裏の顔
妹がサービスエリアで姿を消して5年。全国を巡り「日本一情の深い父親」と称賛される父から、私は古いワゴン車を譲り受けた。だが車内の清掃中、妹の指定席だったシートベルトが事故の衝撃で「4センチ」伸びきっているのを発見する。さらに奥底から見つかったのは、刃物で切断された妹の防犯ブザーだった。父に問いただすと、かつてない冷酷な声で「今すぐ車を処分しろ」と脅され――。私は父の狂気と真実を暴くため、ある決断を下す。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明3.1万字5 11083 -
完結第17話
七年消えた母と五千万の温室
7年前の豪雨の夜、2000万円と共に車ごと姿を消した母。世間から「家族を捨てた悪女」と叩かれる中、傷心の父と私を救ったのは母の親友だった。だが、解体された有料道路の旧監視カメラに映っていたのは、母の車を運転する“親友の手首の火傷痕”。母は逃げてなどいない。父が裏庭に建てた決して入れない温室花房、その分厚いコンクリートの台座を見つめながら、娘は親愛なる偽善者たちへの反撃を誓う。裡の顔|真相|遺體発見|行方不明2.6万字5 3309 -
完結第13話
八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判
九年前に八百万円を持ち逃げして失踪したとされる妹。その金庫が、元婚約者の実家の庭、厚さ二十センチのコンクリート直下から未開封のまま掘り出された。 「腹いせに捨てたのよ」と喚く元義母だが、金庫の底にあった妹の携帯には、未送信の悲痛な下書きが残されていた。 泥棒の家族として親を失い、蔑まれて生きてきた姉・綾乃は、完璧に塗り固められた「被害者一家」の嘘と対峙することを決意する。真実|裡の顔|行方不明|金銭問題|修羅場2.0万字5 20851 -
完結第11話
三億円を迫った夫と偽造DNA
「浮気したあばずれ女だ。慰謝料3億円払え」――5歳の息子がO型だと判明した瞬間、AB型だと信じていた夫は私の不貞を決めつけた。病院での取り違えを疑う私の言葉には耳も貸さず、夫は義母と共に私を罵り、息子の髪まで無理やり抜いてDNA鑑定を強行。さらに「親子関係なし」という結果を突きつけ、病気の息子ごと家から追い出した。長年、学歴を理由に私と息子を虐げてきた義母を、それでも信じ続けた夫。その裏切りに心が切れた私は、実家へ戻り家族と反撃を決意する。だが義実家で再び3億円を要求されたその時、海外から帰国した兄が現れた。「その鑑定結果、一致するわけないよ」――兄が再生した一つの録音から、夫と義母が仕組んだ計画、そして血液型に隠されたさらに深い秘密が崩れ始める――。裡の顔1.6万字5 46994 -
完結第13話
十三足目の黒い靴
高熱で寝込んでいた美咲は、解熱シートを探すため開けた靴櫃の奥で、同じデザインの黒い平底靴が12足並んでいるのを見つける。全ての靴底には、彼女が訪れたこともない南青山の赤土が付着していた。さらに夫の書斎から見つかったのは、3年間にわたる『妻の生活観察手帳』。「夜間の徘徊」「物忘れ」と偽りの症状が克明に記されていた。夫はなぜ、妻を病人に仕立て上げる必要があったのか。日常の隙間に潜む歪んだ支配から脱出するため、妻が仕掛けた静かな反撃とは。裡切られた|夫婦|裡の顔|修羅場1.9万字5 634 -
完結第17話
毎日1センチ狭くなる庭
全財産を注ぎ込んで購入した憧れの中古一戸建て。しかし入居7日目の朝5時、隣に住む80歳の老人が我が家の花壇に杭を打ち込み、庭の境界線を勝手に「1センチ」押し込んできた。毎朝くり返される侵蝕と「死にたくなければ触るな」という警告。30日目に杭が突然全消失しゼロに戻る謎のループの裏には、土地に隠された40年前の罪と、危険を知りながら私に家を買わせた夫の冷酷な裏切りが隠されていた。ミステリー|人生逆転|裡の顔2.6万字5 667
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