みかん小説
本棚
みかん小説 / 裡切られた / 診察室に入れなかった私
診察室に入れなかった私

診察室に入れなかった私

曇天の洗濯物 完結 2

妊娠七ヶ月、甲斐甲斐しく尽くす夫の言葉に従い、私は毎回待合室で温かい茶を飲んで待っていた。「異常なし」と笑う夫を疑ったことはない。だが夫が仕事で不在となり、初めて一人で診察室に入ると、医師は冷徹な面持ちで私を見据えた。向けられたパソコンの画面には、私が頑なに治療を拒み、夫が必死に説得したという記録が三回連続で並んでいた。その三回とも、私は一度も診察室に足を踏み入れていない。

今すぐ読む

おすすめ作品