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完結第21話
解雇された職人が未明に餡を練る
創業五十周年を控えた和菓子屋で働く私は、常連客の前で二十五年尽くした職人が店主に突然解雇される場に居合わせた。跡を継ぐため会社を辞めて戻った一人息子がいるものの、看板である漉し餡の技術はまだ誰にも継がれていない。店が立ち行かなくなると焦った私が翌朝四時に店へ駆け込むと、暗い厨房で追い出されたはずの職人が大鍋を振っていた。仕上がった餡を前に、朝一番に出勤した店主は無言で味見の木さじを口へ運んだ。裡切られた|親不孝|親子関係|修羅場3.2万字5 8 -
完結第18話
診察室に入れなかった私
妊娠七ヶ月、甲斐甲斐しく尽くす夫の言葉に従い、私は毎回待合室で温かい茶を飲んで待っていた。「異常なし」と笑う夫を疑ったことはない。だが夫が仕事で不在となり、初めて一人で診察室に入ると、医師は冷徹な面持ちで私を見据えた。向けられたパソコンの画面には、私が頑なに治療を拒み、夫が必死に説得したという記録が三回連続で並んでいた。その三回とも、私は一度も診察室に足を踏み入れていない。裡切られた|夫婦|裡の顔|修羅場2.8万字5 3 -
完結第22話
母は死んだと書いた娘
夫の連れ子だった八歳の娘を引き取り、七年間毎朝弁当を作り、熱を出せば夜通し看病を続けてきた。ぎこちなくとも穏やかに暮らしてきたはずの中学三年の秋、担任に呼び出された私は、娘が提出した調査票を見て言葉を失った。家族欄には「実母は七年前に他界、父と二人のみで生活」と書かれ、私の名前は存在すら消されていた。裡切られた|夫婦|孤獨|修羅場3.3万字5 0 -
完結第19話
レジ打ちの妻は恥ずかしい
結婚式まであと一か月。婚約者から突然、私の名前が印刷された『退職届』を差し出された。「うちの嫁がスーパーでレジ打ちなんて困る」と義母と決めたという。冗談だと笑おうとした私に、彼は真顔で「取引先に見られたら恥ずかしい」と言い放った。この三年間、一生懸命働く私の姿が好きだと言ってくれたのは嘘だったのかと問うと、彼は静かに言った。「恋愛と結婚は、違うんだよ」。私は差し出されたペンを机に押し返した。裡切られた|怒り|金銭問題|修羅場2.9万字5 16 -
完結第22話
恩人弁護士の不可解な書類
満員電車の切り取り動画で炎上し、派遣先を不当解雇された私を、着手金ゼロで救ってくれたのは小さな事務所の弁護士だった。彼の尽力で示談を勝ち取り日常を取り戻した二ヶ月後、私は元上司のパワハラを訴えた見知らぬ後輩の裁判資料を目にする。そこには、私が弁護士の相談室で泣きながら話したはずの告白が、そのまま証拠として並んでいた。震える手で開いたその裁判記録の送達先には、私を救った恩人弁護士の事務所名が記されていた。職場逆転|因果応報|裡切られた|怒り3.4万字5 25 -
完結第19話
席次表から消された姉
披露宴の席次表を確認していた時、婚約者は親族席にある私の姉の名前を赤ペンで乱暴に塗りつぶした。介護士の姉を親戚に見せるのは家の格に関わると吐き捨てる彼に、私は必死で抗議した。だが、両親のいない私を育ててくれた姉は、侮辱されても取り乱すことすらしなかった。ただ、赤線の引かれた名前を静かに見つめ、「彼のお父さんが去年入院した時、毎晩誰が付き添っていたか聞いてごらん」と私に告げた。裡切られた|兄弟姉妹|親不孝|介護|修羅場2.9万字5 136 -
完結第21話
息子の捜索地図を消す男
小学二年生の息子が下校途中に姿を消した。身寄りのない私を支え、町中を巻き込んで連日捜索を指揮してくれたのは、誰からも信頼される自治会長だった。だが三日目の夕暮れ、下校中の中学生から『息子の赤い靴を旧河堤で見た』と告げられる。公民館の記録を開くと、その区域だけが初日から会長一人の手で『異常なし』と赤線で消されていた。全住民を北の山へ遠ざける男を前に、私は震える指を隠し「誰も見ていませんでした」と笑って見せた。ミステリー|裡切られた|真相|行方不明|親子関係3.1万字5 715 -
完結第19話
身重の愛人を抱き起こした私
結婚七年、夫から突然緑色の離婚届を突きつけられた翌日、妊娠した若い愛人が家に連れてこられた。「跡取りができたから今すぐ出ていけ」と義母に罵られ、私は家政婦のように食事を配膳させられる。だが食事の途中、愛人が激痛を訴えて床に倒れ込んだ。夫が「大げさに騒ぐな」と救急車すら拒む中、私は自腹でタクシーを呼び、彼女を病院へ運び込んだ。処置後、医師は妻である私だけを診察室へ呼び出し、低い声である質問を投げかけた。裡切られた|嫁姑|夫婦|修羅場|不倫2.8万字5 231 -
完結第22話
側溝の底のGPS
六年前に娘を事故で亡くし、近所から「不注意な母親」と後ろ指を指されながら暮らしてきた私。ある朝、向かいの名士宅との境界にある側溝の泥から、泥まみれの「娘の見守りGPS」を掘り出した。壊れた端末のログを開くと、六年間、豪雨の深夜になるたび、向かいの家のWi-Fiと通信を繰り返していた。問い詰めた夫が無言で開けた物置には、壁一面に貼られた隣家の行動記録と、五年間密かに改造されていた配管図面があった。ミステリー|因果応報|裡切られた|真相3.3万字5 14561 -
完結第13話
毒を運ばされていた私
身寄りのない老女を七年間、親身に介護してきた。 だが彼女が急死した朝、私は身に覚えのないクレームで停職になり、団地を追い出される。 老女の部屋の床下から見つかったのは、七年前に心筋梗塞で死んだはずの隣人の実印と、大量の未開封の降圧剤。 そして「八十度のお湯で三分間」と記された、私が毎日淹れさせられていたお茶の調合メモだった。 震える手で茶葉の残りを握りしめたまま、私は白衣の友人に分析結果を求めた。裡切られた|相続|真相|孤獨|介護2.0万字5 198 -
完結第23話
追い出された四畳半
物流倉庫の夜勤で稼ぎ、毎月五万五千円の家賃を同居人に手渡してきた。だが、ベランダの洗濯機の裏で見つけたのは、実際の家賃が一万九千八百円だと記された公団の通知書と、私の名前が勝手に書かれた退去届。部屋から母の形見の桐箱と実印が消え、玄関に二千円札を投げ捨てられて「出ていけ」と嗤われた時、奥から見知らぬ男の笑い声がした。私は昨日区役所で新しく登録し直した「別の印鑑」を、ポケットの中で静かに握りしめた。因果応報|裡切られた|金銭問題|修羅場3.5万字5 59 -
完結第25話
名前を消された入園届
認可保育園の現況調査まで、あと48時間。 私は夫と義妹から「狂った母親」の濡れ衣を着せられ、娘と共に団地から着の身着のままで追い出された。 足元に放り出された娘のお昼寝布団は、名前がカッターで削ぎ落とされ、別の名前が書き殴られていた。さらに娘のための口座残高は、たったの「342円」。 娘の居場所も、生きる金もすべて奪われた土砂降りの夜。私は切り裂かれた名札を握りしめ、ある場所へ向かった。因果応報|裡切られた|夫婦|修羅場3.8万字5 211 -
完結第11話
五十万円の便利妻
義父の四十九日を終えた日曜の朝、商社の係長へ昇進した夫から緑の離婚届を突きつけられた。「腰を壊したお前は出世の邪魔。手切れ金50万で出て行け」。4年間、排泄の世話まで一人で背負い続けた私を、夫は「無償の介護要員」として切り捨てたのだ。愛人とタワマンへ移る気満々の夫。だが、冷え切った私の手元には、四年間の一切を記した【介護日誌】と、義母から託された反撃の鍵が握られていた。因果応報|裡切られた|介護|金銭問題|不倫1.7万字5 31179 -
完結第13話
私の命を八千万円にした夫の末路
スーパーの特売帰り、愛車のサンバイザーが壊れて落ちてきた。隙間から現れたのは、見覚えのない「搭乗者死亡保険金八千万円」の証券と、私の指印が押された白紙の委任状。借金で首が回らない夫と義家族は、突如として私に不気味な優しさを見せ、「雨の日に山道へ荷物を届けてほしい」と微笑む。私が死ねば、全てが潤う――仕組まれた事故を察知した妻の、静かな反撃が始まる。裡切られた|嫁姑|金銭問題|修羅場1.9万字5 74 -
完結第16話
妻の手術日に3000万奪った夫の代償
末期ガンと闘う一人娘・紬。義実家の食卓で義母は「どうせ死ぬなら保険金でも残して」と嘲笑い、夫は娘の危機にも見舞いに現れない。そして紬が命がけの手術室へ入ったその朝、夫一家は保険金三千万円を奪い、ファーストクラスで海外へ高飛びした。SNSに躍る「臨時収入あざっす」の投稿。だが奴らは知らなかった。娘の父が、全てを奪い返すために牙を研ぐ巨大企業の会長であることを――。因果応報|裡切られた|嫁姑|金銭問題2.4万字5 634 -
完結第23話
19年間の嘘を暴いた1枚のDNA鑑定書
19年前、母と妻の嘘に騙され、身重の妻を嵐の夜に追い出した財閥総帥の神崎。時が経ち、倒産寸前の彼の前に現れたのは、世界的な権力者となった元妻と、彼女が育て上げた3人の「天才」たちだった。現在の妻と母は彼らの才能と財産を奪おうと卑劣な罠を仕掛けるが、それらはすべて最悪の形で日本中に晒されていく。そして神崎の元に届いた「19年前の真実」。すべてを失った男が、悪魔たちを下すための最後の決断とは――。因果応報|裡切られた|嫁姑|第二の人生|親子関係3.5万字5 1167 -
完結第16話
4500万の城を奪われた夜
出張から深夜に帰宅した葵を待っていたのは、暗証番号が勝手に変えられた自宅のドアだった。35年ローンで購入した愛着ある2LDKは、夜逃げしてきた叔父一家に占拠されていた。「長男の娘なら身内を助けろ」と実父は怒鳴りつけ、葵のマンションを担保に親戚の借金を背負わせようと迫る。理不尽な搾取の鎖を断ち切るため、葵は静かに自らの城を取り戻す反撃を開始する。裡切られた|ATM扱い|絶縁|親子関係|修羅場2.5万字5 1847 -
完結第16話
3年の介護と兄のタワマン頭金
母が骨折し、仕事終わりに病院へ通い詰めた二ヶ月。退院したその日、実家の庭には見知らぬ不動産業者が立っていた。東京で暮らすエリートの兄は「母を東京に引き取る」と親戚中に宣言し、実家の売却代金を自分のタワマン購入の頭金に横領しようと画策する。さらに母までもが「自慢の息子の邪魔をするな」と兄に肩入れし、献身してきた娘を召使い扱いした時、私の心の中で何かが静かに決裂した。裡切られた|兄弟姉妹|絶縁|金銭問題2.3万字5 816 -
完結第14話
母の尊厳を踏む家なら捨てます
両家顔合わせの席で、母が早朝から手作りした水羊羹をナプキン越しに「臭いが移る」と突き返した義母。隣の夫は私の手首を強く締め上げ、「母さんに恥をかかせるな」と耳打ちした。さらに私の個人貯金三百万円が義実家の見栄のために勝手に狙われていることを知る。結婚式直前、式場の席次表を開いた私は、最愛の母を配膳口の横に追いやった婚約者一家に対し、静かに最後の反撃を始めた。裡切られた|ATM扱い|絶縁|修羅場2.1万字5 320 -
完結第15話
頭金300万を1万円にした婚約者の末路
来春の結婚に向け、二人で300万円を貯めていた新居の頭金口座。ある夜、咲良が残高を確認すると、そこには「12,400円」の数字。婚約者の悠馬が、咲良の独身時代の貯金200万円ごと母親の口座へ無断送金していたのだ。問い詰めると「母さんが寂しがっていたから、実家を二世帯にする手付金にした。家族になるのにケチケチするな」と笑う悠馬。さらに義母の実家を訪れた咲良を待っていたのは、信じがたい同居プランだった。裡切られた|ATM扱い|金銭問題|修羅場2.3万字5 186