十年間、右半身麻痺で寝たきりの兄を一人で介護してきた。 手はあかぎれで裂け、自分の人生も貯金もすべて兄の下の世話に消えた。 その日常が終わったのは、ある深夜二時。 誰もいないはずの台所で、カチリとライターの音がした。 暗闇の中、すっくと立ち上がった兄が吐き出した煙。 そして見つかった、私の名義でかけられた九千万円の死亡保険と、毎日の麦茶に混ぜられていた血圧を下げる白い粉。 「あの愚図、早く死なねえかな」 十年間、声すら出せなかったはずの兄が、電話の向こうで笑っていた。
✧ VIPなら、広告なしで快適に。 サイト内の作品・VIP限定小説が読み放題。
あなたに、追加割引をお届けします。
現在選択中のプランに適用
通常価格 $0合計 $0 お得
追加割引はクーポンと併用できません。適用後の金額をご確認ください。